市川市議 「政務調査費で切手大量購入調査」のための12月臨時議会傍聴とこれまでの経緯

政務調査費を巡って二つの会派グループがそれぞれ市議会に議案をだし議会が2つに分かれ紛糾しています。

5会派

(自由民主党)(みんなの党)(民主・連合)

(共産党)(無所属・市民ネット)
 VS 

3会派

主に切手を購入した議員で構成される

(みらい)・(緑風会第1)

(会派ボランティア・新生会・市民の風 )
3会派の議員の切手大量購入に関する政務調査費の調査を要求(議案43号)

議案43号案を受けて、それを請求した左の議員ら18人の政務調査費全般の調査を要求

(議案44号)
内容:3会派の実施したとされるアンケート調査、会報の郵送に関して 内容:政務調査費全般について

  (公明党議員はその両方の議案提出に参加し賛成し、自身は調査対象に入っていません)

 

政務調査費での切手大量購入が発端となり開催された臨時議会で、議員が二つのグループに分かれ対立し

2つの百条委員会(*)が設置されました。傍聴して双方の言い分を聞く限りでは、議案44号を出した議員か

らの言い分は筋が通っておらず納得できませんでした。

(*)百条委員会とは → 議員の不正を調査するために作る委員会のことです

 

 この件はNHK、新聞各社によって報道されましたが、内容が込み入り分かりにくいので、これまでの経緯

と、臨時議会で2つのグループが主張した内容をまとめます。


<これまでの経緯>

◆8月に住民から政務調査費の大量切手購入に対して監査請求が出される 

  市民から政務調査費での切手の大量購入に対して住民監査請求が市川市に提出される。

  内容は市川市の政務調査費を調べると、H23年から24,25年と3会派の議員が政務調査費で換金性の高い切手を大量に購入しているのは不正支出ではないのか。市民宛のアンケートに何千枚の切手を自分で貼るのは合理性に欠くので調査してほしいというものです。

 

3会派とは

@「社民・市民ネット」と「ボランティア・新生会・市民の風」・・この2つは11年度は統一会派でしたが現在は「無所属・市民ネット」「ボランティア・新生会・市民の風」に分かれています。 

A「みらい」

B「緑風会第1」

 

◆11月 市の監査結果は不適切使用の事実を確認できなかったと請求を棄却

(監査結果の内容)http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000191336.pdf

 大量に購入した切手についても、関係会派からは、全て政務活動等に使用したとの説明があり、これに反する事実も確認できなかった。さらに、切手を使用することの利点についても説明があったものである。これらの点から、監査委員としては、請求人が疑惑があると主張する切手が換金されるなど不正行為があったとは判断することができない

  (監査委員2人と市議会議員1人で監査されました)


 

しかし市民から監査請求があったことを重く受け止めた5会派は市内部の監査には限界があるので岩井議長に対して、監査の内容について議員全体で話し合いの場を設けるように申し入れたが聞き入れられなかった。

◆12月議会 

6人の議員が一般質問で政務調査費の問題を取り上げたが、岩井議長からのストップと、議員のヤジで遮られ、答えが得られなかったため越川議員などから議長に百条委員会の設置を求める発議を出したが、調査の対象になっていた岩井議長、松永鉄平副議長が議場へ戻らず時間切れで閉会という異常態が起きた。マスコミにも「市川市バックレ議長」と取り上げられる事態となる。

 

◆12月臨時議会・・43号と44号の2つの議案が出され2つの百条委員会を決議。 

24日はそれぞれ調査対象者を除く2つの会議が開かれ、それぞれの百条委員会が開催されることが決まった。これによって市議42人中29人が両方、もしくはいずれかの百条委員会で調査されることになった。

<議案と会派の構成です>

(43号議案)

16人(提出者:越川雅史 議員)から出された政務調査費等により切手を大量に購入した会派の調査を求める議案。

 

(44号議案)

14人(提出者:金子正 議員)から出された公明党を除く、43号議案を出した会派の政務活動費の不正支出に関する議案。

切手購入会派で構成される。


議案と会派の関係.jpg

・旧社民・市川ネットの3人の議員は2つの委員会から調査を求められているため、両方のの議会に出席できない。

(理由:旧会派の社民・市民ネットの時に秋本、湯浅、かつまたの3人の議員は切手を購入していないが、「会派ボランティア・新生会・市民の風」に統一会派として名前を使われ切手購入しアンケートに使用したとされ監査対象となってしまった。詳しくは秋本のり子議員のブログに)

・公明党はどちらからも調査を求められていない。

 

◆43号議案の会議内容  (調査対象の14人が議場から退出して28人で審議される)

切手を購入した会派の調査をするために百条委員会の設置を全員一致で可決。

― 初めの提案理由の説明に反対する議員が多かったのはびっくりしましたが ―

○越川議員からの提案理由の説明、

これまで、岩井議長に政務調査費の切手購入の問題について議員全体での話し合いの場を設けるように申し入れたが再三断られ、12月議会での一般質問も遮られ、百条委員会の設置を求めても正副議長が議場に現れず閉会とされたので、改めて臨時議会を開催し百条委員会の設置を求めた。

○百条委員会で求めること

(1)真実の解明

(2)この問題を解決するために百条委員会以外に方法はなかったのか

(3)弁明の機会を会は「みらい」に与える。

(4)潔白の議員(旧社民・市民ネット)3人に公式の場で話す機会を与える。

 

○調査内容を切手に絞っている理由

 住民監査請求の内容と市監査委員からも「切手は換金性が高く、不正の温床となる可能性が否定できない。取扱いには細心の注意が必要だ」と意見が付けられているのでこの問題に絞った。

○切手が具体的にどのように使われているのかを確認した内容

 

(1)H25年6月7日から21日に市川駅で市庁舎の建て替えについて市川駅で3000人にアンケートを

  対面で行ったという。この期間は議会中である。朝晩に15日間で3000人、1日200人に対面で

  アンケートは無理ではないか。

(2)アンケートに切手を貼って不特定に葉書を3000~8000枚配った。戻ってきたはがきはすでに

  処分した。

 

◆44号議案について  (調査対象の18人が議場から退出して24人で審議される) 

 43号を提出した会派の議員(公明党を除く)のすべての政務調査費を調査する百条委員会を設置することを可決。反対1名

○金子 正議員からの提案理由の説明

・すでに監査請求で棄却されているので切手購入は問題ない。

・多くの市民からも政務調査費に疑問が持たれているので、切手の購入調査を求めた議員達の切手以外の政務調査費を調べるべきだ。

・切手にターゲットを絞られるのは公正公明ではないので43号議案を出した議員のすべての政務調査費を調査すべきと主張。

 

44号議案を出した会派の松井議員からも「不正支出が1つも発覚していないのにそれを調査する百条委員会の設置を要求するのはおかしい」と議案への反対討論が出ました。

( 松井議員の反対討論の内容 )

・切手購入については住民から、監査請求も出ており、様々なメディアも取り上げている。それに対して、議案44号の百条委員会の内容はどの会派の誰がどのように何をしたとは一切出ていないのに請求するのはおかしい。

・ふつう百条委員会は不正が起こり、市民からの請願などが出てから開かれるもので、このような状態で請求するのならおかしい。もし調査するのなら42人の議員全員を対象にするべきだ。

・不正の容疑も、市民からの訴えも出ていない状態で百条委員会の設置を要求するのはおかしいのでやめるべきだ。

・まず、切手の問題を調査するのが先ではないか。

(コメント)傍聴で聞く限りでは議案44号の主張は筋が通っておらず、ただ1人出た反対討論の意見はもっともなもので、うなずいてしまいました。

 

しかし採決で反対したのは質問した議員1人で、4会派(みらい、緑風会第1、会派ボランティア・新生会、市民の風、公明)によって可決されました。

◆これから2つの百条委員会が開かれ、それぞれの議員の調査をします。

 

<傍聴を終えて> 

◆市の監査では不十分だと思いました。

全国で問題になっている切手の使途のチェックが市川市でも機能していませんでした。実は11年に一度「会派ボランティア・新生会・市民の風」と「旧社民・市民ネット」の切手を購入問題は一度取りざたされていました。会派で切手を買ってアンケートをしたとされていますが、議員に名前を使われた当時「社民・市民ネット」の3人の議員達は発覚したその時点でアンケートをした覚えはないと議会事務局に抗議しています。この時点で議会事務局は切手購入に問題があると気付いていたはずですが、その後も切手購入は放置されてきました。議員間にも情報は入っていたと思いますが、住民監査請求にもその内容は反映されていません。

 

◆会派の動きから見える「組織」の問題点と追及した新しい議員達の功績

今回第44号議案の会議で「会派ボランティア・新生会・市民の風」の2人が賛成討論をしていたのには驚きました。1人の議員が反対討論で第44号案の問題を指摘しました。その内容は至極まっとうなものでした。にもかかわらず反対討論をした議員を除く4会派の全議員がこの議案に賛成したのには失望しました。外から見ればおかしいのは一目瞭然です。

本来市議は市民の代弁者として1人1人が選挙で選ばれたはずですが、当選後は会派に所属し、個人での判断ではなく、会派という組織の一コマとして動き出します。組織の権力が大きくなるとおかしいと思ってもおかしいと言えなくなります。長年その組織に属しているとおかしいと思わなくなる人も増えてきます。これは会社、軍隊など組織化した時に見られる人間の習性です。

今回この問題をおかしいと指摘し、ブログなどで積極的に情報を発信してうやむやにしなかったのは新しい議員達の功績が大きいです。

 

◆これからの市川市議会への市民の信頼

 議長、副議長をはじめ古くからの議員が関係しているこの事態を市川市議会はどう受け止めていくのでしょうか。特に教育問題などはこの議会に扱ってもらいたくありません。

 

◆この問題は議員個人の資質だけでなくシステムの問題として捉えたい。

 市川市は多くの人が千葉都民と言われ、大きな問題も少なく、政治に関心薄いといわれます。投票率の低さも深刻です。政治への無関心が、閉鎖的な市議会を作ってしまった大きな原因です。一般の社会では通用しないようなことが起こっても問題とされず、始めは小さなことでも見逃されているうちにここまで大きくなってしまったのではないでしょうか。議員個人の問題では済まされないことだと思います。人間の習性として捉え、そうならないような環境づくりが必要と思います。このような環境が市議会にある限り、こういった問題はまた起こりうることです。


投票したら終わりという政治環境を作った私たちの市議会です。システムを変えるためには市民がもっと動く必要があります。この問題はこれからです。

退職し会社という組織から解き放たれ、時間的に余裕のある方達が市民オンブズマンを立ち上げるなど是非関心を持っていただきたいです。