アンケートは本当に実施されたのか

「アンケートは本当に実施されたのか」について    2016.7.25  秋本のり子

この百条委員会が開かれたことにより明らかにされ、結論を導く証言を次に挙げてみますと、最初に小泉証人は、証人尋問において、宣誓を拒否した上で、自己が直接見聞ないし体験した事実についてですら、補助者に頻繁に助言を求めるなど、自己の記憶に従い素直に事実を述べているとは到底思われない態度が見受けられた小泉証人は、証人尋問における本件調査事項の真相解明には極めて非協力的だったのである。

小泉証人は当初、有限会社クアン(以下、クアンという)がアンケート回答用はがきを印刷したことを当然の前提とする証言、態度をとっていたにもかかわらず、証人尋問が相当経ってから、委員からの質問に都合の良いように、実際にはクアンではなく三立工芸が印刷したものであると証言したものであり、虚偽の証言を行った可能性が強く疑われる。小泉証人が経営するクアンが印刷業務をすることなく、三立工芸が印刷したことにし、体裁をとったという事実がわかった。小泉証人は経済実態を伴わない架空の領収書を添付したことになる。また、その際の証言は、3点有り、「金額を政務活動費の残額等支出に合わせるためにクアンの領収書を提出したという体裁をとりました。」「全く意味はなく421は私が4月21日生まれだからです」「クアンは領収書を提出するという体裁をとっただけです。印刷については行っていない、受注していないということです。」などと証言している。これらの証言により支出伝票や添付書類、支出報告書等の体裁を整えることを目的にした、経済行為の実態を伴わない架空の領収書を使用したことが認められた。

また、平成23年度から25年度に小泉証人が関わり実施したとされる8件のアンケート調査は、約5万6千枚もの回答用長はがきに印刷(平成23年度を除き)し、これに切手を貼って、手渡ししたことが事実であることの疑義が深まった。また、小泉証人が家族、友人等とともに切手を1枚1枚貼って配布したことが事実ならば返送されたはがきが1枚も残らず『廃棄された』とするのは不自然であり、アンケートが本当に実施されたのか疑念が生じるのは当然のことである。

アンケートを初めてとったとされるH23年の「社民・市民ネット」に関しては、小泉証人が政務活動費のために組んだ「社民・市民ネット」の代表であるかつまた議員、経理責任者の湯浅議員がアンケートを取る必要はないといったにもかかわらず、小泉証人はお二人から理解を得たとし、その席には元庶務課長も同席していたとした。そのことを元庶務課長に確認したところ「記憶にない、ありません」との回答を得た。元庶務課長は小泉証人に対して独立的な立場にあると考えられることから、かつまた参考人、湯浅参考人と合致している。このアンケートは実施されておらず、大量の切手は購入後、換金されたと疑わざるを得ない。小泉証人の証言に虚偽が多数含まれている証拠の1つである。
このことについては参考人招致でかつまた議員は小泉証人から百条委員会の中止を求められ、「やられたらやり返す」「庶務課長がどうなるか。まあ、わかるだろう」と言われたと証言している。
また、この際、アンケートをとり切手を買ったことは収支報告書に報告しているが、添付した印刷物には、かつまた議員、湯浅議員、秋本のり子議員の名前が無断記載された。政務調査費の交付を受けるため5人の名を支出伝票に添付したのは違反行為である。
またアンケート回答結果報告書も収支報告書に添付されているが、尋常とは思われない高い回収率と報告書は、偽造したものと疑わざるを得ない。

アンケートの実施が強く疑われたのは「ボランティア・新生会・市民の風」が実施したとされる平成25年3月21日から4月15日を実施期間とするアンケートである。集計に不適切な点があったことは小泉証人は認めているが鈴木前議員は視察中であり、同日に調査を実施、集計作業を終えるのは無理であり本当は実施されていないと評価する以外ない。

「ボランティア・新生会・市民の風」が平成25年2月15日から3月15日に実施したとされるアンケートと「緑風会第1」の平成24年10月に実施したとされるアンケートの結果報告書は集計結果のデータも完全に一致していた。このことに対し、小泉証人は、平成27年1月から3月に行われた個別外部監査では緑風会第1と合同でアンケート調査を行い、双方の結果を合算したと説明している。しかし、小泉証人は百条委員会の10月9日の証人尋問の中で「緑風会第1と合同ではアンケートを行っていない」と証言を変えている。

平成24年12月15日から平成25年1月15日に実施したとされるアンケートに関し青山証人はアンケートには参加しておらず、項目など依頼もしていないと証言している。
したがって、調査をしてない青山証人の自宅が返信先となるアンケート回答用はがきを証憑として提出したのは虚偽の報告である。よって小泉証人、鈴木前議員が当該支出伝票を承認し現金を支出したことは不法行為が成立したと考えられる。

「緑風会第1」の平成24年4月24日〜5月1日のアンケート回答はがきのクアンへの発注については松永鉄兵証人はクアンに印刷発注することなく、領収書を受領し、政務活動費の精算を行ったに過ぎないと評価する。また、使用されなかった切手は換金されたものと疑わざるを得ない。
やはり、実際にはアンケート調査は実施されなかったのではないか、切手は換金されたのではないかといったと考える以外に説明がつかないのではないだろうか。
小泉証人が、「収支報告書の体裁を整えることを目的に、経済行為の実態を伴わない領収証を使用」したことは、否定できないところである。

また、これほど大量のアンケート調査がされたのであれば、無断記載された議員への問い合わせや小泉証人らが駅頭で配布している姿を見たことや切手を貼るのを手伝ったと名乗り出る人が今、現在1人もいないのは理解できない。
青山証人の証言で小泉証人が政務活動費の請求の精算をしているといったところ「そんな面倒くさいことをすることないですよ。切手を買って換金すれば済んじゃいますし、松永議員もみんなやってますよ」と言われたという。議員としての適性が疑われる。
小泉証人は、この感覚で政務活動費を「私」したのであろう。こういう感覚の人間が公金をあつかう議員の座にふさわしいのか大いなる疑問である。議員としての倫理観が問われるところである。
小泉議員が提出した平成27年7月7日付けの意見書において「全額返納を済ませており、調査の必要性はなくなっている」と述べているが、この理屈は、例えば「金さえ返せばお咎めなし」とする類のものであり、到底容認することはできない。

結論として「アンケートは1度も実施していない。実施されたとする証拠がでていないからである。直接的な証拠はないけれど、総合的に判断すると実施していないと判断する。切手は換金されたと強く疑われる。そして三立工芸は印刷はしていない(平成23年度を除き)と疑いを強くした。宣誓をし、偽証罪の適用がある中、証言をされた青山議員が「アンケートはやっていない、回答用のはがきもみたことない」と証言している。このことは小泉証人の内容、態度と比較して信用できるし、すべてのアンケート調査について実施されていないと言えるものではないかと評価した。
これまでのいくつかの事象(アンケート8件)は虚偽公文書作成・同行使の罪に問われることを否定できない。

いずれにしても、当委員会は捜査権を有しておらず、これ以上の調査は不可能であると考えられることから、捜査機関において厳正なる捜査が行われ、真実が明らかになることに期待したい。